チャットボットで画像も地図も回答できる時代に。便利な使い方と導入のポイント

はじめに

これまでのチャットボットは、テキストベースの質疑応答が中心でしたが、技術の進化により、様々な機能が追加されています。最近では、チャットボットがテキストだけでなく、画像や地図などの情報も扱えるようになってきています。

たとえば「この近くの店舗は?」と聞けば、店の住所だけでなくGoogleマップ上に候補を表示してくれます。また、「こんな雰囲気のポスターを作りたい」と伝えると、そのイメージに合った画像をAIが生成して見せてくれます。

本記事では、そうした最新のAIチャットボットが持つ「画像出力機能」や「地図表示機能」に焦点を当て、その仕組みや実際の会話例、具体的な活用シーン、そして導入にあたっての注意点までを幅広くご紹介します。

画像出力でより効果的な接客が可能に

オンラインショッピングにおいて、「どれを選べばいいかわからない」「文章の説明だけではイメージが湧かない」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。特に、ファッション・インテリア・雑貨など見た目の印象が購買意欲に直結する商品において、文章のみの提案には限界があります。

こうした課題を解決してくれるのが、画像出力ができるチャットボットです。

● 実際のチャット例:

このように、テキスト+画像+リンクが一体となることで、ユーザーはその場で商品を比較し、判断ができるようになります。ページを遷移したり、キーワードで再検索する必要がなくなるため、離脱率の低下や購入率の向上にもつながります。

この機能は他にも、以下のような分野に応用ができます。

  • インテリア:部屋の雰囲気に合わせた家具・照明を画像で提案
  • コスメ:肌のトーンや悩みに合わせたメイク用品を視覚的に提案
  • ギフト提案:相手の年代や関係性に応じて、見た目の印象も含めて贈り物を選べる

マップ連携によりチャット内で道案内が可能に

チャットボットとの会話の中で、「近くのお店を知りたい」「アクセスを確認したい」と思ったことはありませんか?これまでは、チャットボットが住所や店舗名を返してきたとしても、それを地図アプリで検索し直すという手間が必要でした。

● 実際のチャット例:

Googleマップ連携のチャットボットは、ユーザーがわざわざ検索を切り替えずにチャットボットとの会話の中ですべてを完結できるという点に、大きな価値があります。

特に地図の出力は、以下のようなシーンで役立ちます。

  • 店舗検索:ユーザーの現在地に基づいて、最寄りの店舗や施設を地図上に表示
  • アクセス案内:イベントや商業施設へのルートを、チャットで聞けばそのまま可視化
  • 観光相談:「1日で回れる観光スポット教えて」という問いに、マップ付きでルート提案

実際にどのような現場で活躍するの?

このようなAIチャットボットは、単なるチャットボットという枠を超え、様々な業種・場面で実用性の高いツールとして活用され始めています。ここでは、その代表的な活用シーンをいくつかご紹介します。


● 小売・ECサイト:ユーザーに合わせたレコメンド体験

オンラインショッピングでは、「欲しいものはなんとなくあるけれど、うまく検索できない」というユーザーが少なくありません。そこで画像出力対応のチャットボットを導入することで、「イメージに近い商品画像+購入リンク」を会話の中で提示でき、商品選びが格段にスムーズになります。

例えば、「20代女性の友達への誕生日プレゼントを探しているんだけど、オススメの雑貨はない?」という質問に対して、AIがいくつかの候補を画像つきで表示し、ユーザーは直感的に選べるようになります。


● 飲食店・サービス業:近くのお店を地図付きで案内

飲食店やカフェ、美容室などの店舗型ビジネスでは、チャットボットが現在地に基づいて最寄りの店舗をマップ付きで案内してくれると、ユーザーはすぐに行動に移すことができます。

例えば、「今いるところから一番近い空いているカフェは?」という質問に、混雑情報とともにGoogleマップを表示してくれることで、検索・比較・移動までの一連の流れを1回のチャットで完結できます。


● 不動産業:物件+周辺環境を一括で提示

不動産関係のチャットボットでは、物件の写真・間取り・周辺施設の情報を出すだけでなく、最寄り駅までのルートや周囲の地図をその場で表示できます。

これにより、ユーザーは「この家に住んだら、駅までは徒歩何分?」「近くにスーパーはある?」といった実生活をイメージしやすくなり、成約率の向上にもつながります。


● 観光・レジャー:地図と写真で旅のイメージを膨らませる

旅行相談に対応するチャットボットでは、画像と地図の両方を組み合わせることで、旅の魅力や動線を直感的に伝えることができます。

「1日で京都を効率よくまわりたい」といったリクエストに対して、モデルコースとともに地図上でルートを提示し、さらに各スポットの写真や混雑傾向などを出力することで、旅行者のプランニング負担を大きく減らすことができます。


● 教育・研修分野:言葉では伝わりづらい内容を視覚化

学校のAIチャットボットにおいては、校舎や制服、行事の写真を提示しながら回答をすると、学校の雰囲気や魅力が視覚的に伝わりやすくなります。

例えば、「〇〇高校の制服を見たい」とチャットボットに聞けば、画像付きで即座に返答することができます。入試要項や学校までの道順も地図や資料画像で案内でき、受験生や保護者の不安を軽減することができます。文字情報だけでは分かりづらい内容を画像で補うことで、学校選びや受験準備が安心になります。


このように、チャットボットは導入の工夫次第で、顧客満足度の向上だけでなく、購買・来店・行動といった次の一歩を自然に促す強力な接客手段にもなり得ます。

導入のポイント

画像や地図が出力できる高機能チャットボットも、導入の仕方を間違えれば上手く運用できないままになってしまいます。

本章では、導入前・データベース構築時・運用後の各フェーズで見落としがちなポイントをチェックリスト形式で紹介します。


■ 導入前:なぜ入れるのか?誰が使うのか?が見えているか

☐ 画像・地図出力の目的が明確になっている(例:商品を視覚的に提案したい、学校の場所を直感的に案内したい)
☐ その機能によって何を改善したいのかが数字で測れる(例:クリック率UP、来店率向上、説明会参加者数の増加)
☐ 対象となるユーザー像(年齢層・使用デバイスなど)を明確にイメージできている
☐ 画像や地図が効果的に活用されるシナリオをリストアップしている
☐ 広報・営業・ITなど関係部署と連携し、誰が何を担当するか役割が決まっている


■ データベース構築時:本当に「見せ方」が考えられているか

☐ スマホでも見やすい画像サイズや地図表示が設計されている
☐ 出力フォーマット(画像+リンク/地図+説明など)が統一されている
☐ 表示する内容が古くならないよう、更新頻度や方法が決められている
☐ 画像やマップの表示に権利・プライバシー上の問題がない(著作権や位置情報の利用に配慮)
☐ 表示内容が「誰にとって」「どんな行動を促すためか」が設計に反映されている


■ 運用後:導入しただけで満足していないか

☐ 画像・地図付きの回答が、ユーザーに実際に使われているかどうか定期的に確認している
☐ チャットのログを分析し、「見られていない画像」「クリックされていないマップ」が把握できている
☐ 情報の更新や改善を担当する人・チームが決まっている
☐ 導入目的(例:問い合わせ削減、回遊率向上)に対する効果検証を定期的に行っている
☐ サービス・商品・イベントの変更があった際、迅速に内容を修正できる体制がある

おわりに

今やチャットボットは、文字だけで答えるだけのものではなく、地図や画像を使ってより伝わりやすい回答ができるようになってきました。

しかし、便利な機能を活かすには、どう使ってもらいたいのか、誰に何を届けたいのかを考えることが大切です。うまく設計できれば、チャットボットはもっと頼れる存在になります。本記事で紹介した事例やチェックリストを効果的に利用し、AIチャットボットの導入を成功させましょう。

本文で紹介したチャット例は、HELATH株式会社の商品解説AI「SHIRITAI」の実際の画面です。興味を持たれた方は以下のリンクから詳細に飛んでみてください。無料トライアルもございますので、積極的にご検討ください。

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